この異例の「お笑いバトル」は、決してただの箸休めではない。加茂憲倫の意志を継ぎ、死滅回游を主導する羂索にとって、高羽との時間は予想外のタイムロスであり、同時に精神的な満足感をもたらす罠でもあった。
二人がステージ上で放った最後のボケとツッコミの果てに待っていたのは、静寂と衝撃の幕切れだ。満足気な笑みを浮かべて横たわる高羽と、その情熱を認めた羂索。しかし、読者が息をのんだのはその直後、死角から忍び寄る乙骨憂太の一撃だった。お笑いという最高のカモフラージュによって生み出された一瞬の隙。死滅回游の均衡が根底から崩れ去る、歴史的な幕切れとなった。