一方で、相手の気持ちには応えられない(NG)場合の対応こそ、洗練された品格が問われる場面だ。無下に拒絶するのではなく、文学的な含みを持たせたまま風流にお断りするのが大人の作法と言える。
代表的なお断りの返し文句が、「私には月が見えません」だ。これは「あなたに恋愛感情を抱くことができない」という冷徹な事実を、直接的な言葉を使わずに遠回しに伝える表現である。また、「手が届かないからこそ綺麗なのです」という返しも、一定の距離感を保ちたい意思を品よく示すことができる。
さらに、「明日の月はもっと綺麗でしょうか」「寒くなってきましたね」といった、言葉の文脈をあえて外してスルーする手法も有効だ。角を立てずに察してもらう日本の美徳が、ここにも色濃く反映されている。