背景イラストの迫力と立体感を圧倒的なレベルへ引き上げるには、まず「アイレベル(カメラの高さ)」の設定と「第3の消失点」の距離感を直感だけに頼らずコントロールする技術が欠かせない。アイレベルは画面全体の地平線であり、観察者の目が位置する高さを意味する。この線を画面の下部に置けば見上げるような大迫力のアオリ構図が生まれ、上部に置けば俯瞰(フカン)の効果が際立つ。
プロの現場で長年隠されてきた最大のコツは、縦方向の消失点を「画面の外側、はるか遠く」に設定することだ。初心者によくある失敗は、第3の消失点をキャンバス内に近付けすぎて、建物が極端に折れ曲がったような不自然な歪みを生んでしまうことにある。アイレベル上に置く左右の消失点と、上下いずれかに置く第3の消失点。この3つのバランスを保つことで、視覚的な違和感を排除しながら強烈な奥行きを生み出せる。
さらに現代のプロ技法では、建物の垂直線をそのまま第3の消失点へ向かわせるのではなく、微妙なレンズ歪みや広角レンズの効果を模倣した消失点配置を行う。これにより、作画に機械的な硬さが消え、手描きならではの温かみと圧倒的なリアリティが共存する背景イラストが完成するのだ。