針も糸も使わない。用意するのは切れ味の良い布切りハサミが1本だけ。裁縫が苦手な初心者であっても、わずか10分という短時間で、着古した服を最先端のトレンドアイテムへと変貌させる独占テクニックが存在する。
最も手軽でインパクトが大きいのが「フリンジ・クロップド」へのアレンジだ。Tシャツの裾部分を好みの丈(ウエストライン上部など)まで縦に2〜3センチ間隔でハサミを入れ、細い帯状のフリンジを作る。切り揃えたフリンジの端をキュッと手で引っ張ると、生地の端が自然に丸まり、こなれたヴィンテージ感が生まれる。隣り合うフリンジ同士を結び合わせれば、繊細なレース風の編み込み模様を作ることも容易だ。
また、首元や肩まわりに思い切ったカットを入れる「アシメ・スラッシュ」も人気の技法だ。詰まった襟ぐりをオフショルダー風に斜めに切り落とすだけで、野暮ったかったシルエットが一変し、モードな抜け感が立ち現れる。失敗を恐れる必要はない。ハサミを入れた痕跡そのものが、世界に二つとないハンドメイドならではの味となるのだ。