インターネットやSNSが存在しなかった1980年代において、ファンの熱量はフジテレビ旧河田町本社前のスタジオ「第7スタジオ」周辺に集約されていました。『夕やけニャンニャン』の生放送終了後、出待ちをするファンの数は連日数百人から千人規模に達し、近隣住民からの苦情や警察の出動要請が相次ぐなど、物理的な現場の熱狂は凄まじいものがありました。
5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の懐古スレッドや知恵袋、昭和カルチャーコミュニティにおける当時の参加者の証言を検証すると、「親衛隊」と呼ばれる統制組織が各メンバーごとに結成され、コールや応援グッズの管理を自前で行っていた様子が記録されています。現代の「オフ会」や「推し活コミュニティ」の原風景がそこにはあり、情報伝達が口コミと雑誌の読者投稿欄に限られていたからこそ、現場での連帯感と排他性が強烈に機能していたのです。