伊勢谷友介の異彩は、単なる俳優の枠組みに収まらなかった。2000年代後半に立ち上げた「リバースプロジェクト」は、人類が未来へ生き残るための持続可能な社会づくりを目指した先進的なアプローチだった。衣・食・住をはじめとする多様な分野で、廃材をアートやデザインへと転換するリサイクル・プロデュースを展開。
「クリエイティブの力で社会課題を解決する」というこの試みは、単なるエコ活動にとどまらず、表現者としての社会参画の新しいモデルを提示した。ここにも、ファッションの力で人々を元気づけ、エネルギーを社会へと還元し続けた山本寛斎の理念が色濃く影を落としている。デザインや表現を社会のカンフル剤とする思想は、形を変えて弟へと受け継がれていたのだ。