なぜ加害者は業務の範疇を超えて、相手の人間性まで踏みにじる発言をしてしまうのでしょうか。臨床心理や産業カウンセリングの知見から上司の人格否定の心理を紐解くと、いくつかの共通パターンが浮かび上がります。
第一に挙げられるのが「強い劣等感やプレッシャーの裏返し」です。自らの管理能力の不足や業績不振の焦りを隠すため、部下を攻撃してスケープゴートに仕立て上げ、自己の立場を守ろうとする防衛機制が働いています。
第二に「支配欲求と自己愛の肥大化」です。部下を対等な人間ではなく、自分の思い通りに動く道具と見なしており、意に沿わない行動を取られると激しい怒りを覚えます。さらに「過去に自分が厳しい指導を受けて育った」という誤った成功体験に囚われ、暴言を指導の一環だと正当化する無自覚な加害者も少なくありません。