提出された映像は決して鮮明なものばかりではなかった。逆光と激しいノイズ。そこで捜査本部が投入したのが、警察庁が管轄する高度なデジタルフォレンジック技術だ。
潰れていたナンバープレートの陰影を特殊アルゴリズムで復元し、コマ送りでの輝度補正を重ねる。すると、車両のフロントガラス越しに見える運転手の特徴や、助手席側の不自然なシートの傾きが浮かび上がってきた。消去されかけていた断片データや上書き前のタイムラグまで徹底的にサルベージする作業。科学捜査の執念が、闇に葬られかけた「空白の7分間」を冷徹に浮き彫りにしていく。