だが、栄光の光が強いほど、陰りもまた深かった。相次ぐ交通事故による活動自粛。表舞台からの完全な途絶。地上波テレビから彼の姿が消え、世間の記憶から薄れかけた時、彼は自らの手で起死回生の一手を打つ。それがYouTubeチャンネル『堤下食堂』の開設だった。
包丁一本で手際よく料理を作り上げ、視聴者と気さくに対話する店主スタイルは大ヒット。得意の料理腕前を発揮したこのチャンネルは、彼の泥臭い誠実さを再認識させるプラットフォームとなった。さらに近年のNetflixなど動画配信サービスにおける過去のコント番組の再配信ブームも追い風となり、かつてのキレ味を知る層だけでなく、若い世代の新たなファンをも獲得。逆境のなかで泥を舐めながらも、自力で表現の場を耕し続けた努力が実を結びつつあった。