喉の激痛はインフルエンザの典型的な経過の一部であることが大半ですが、極めて稀に生命を脅かす急性合併症の前兆である場合があります。適切な自己管理と危険シグナルの峻別を行うための明確なトリアージ基準を提示します。
【自宅療養を継続してよい基準】
激痛はあるものの、少量の水分や経口補水液を時間をかけて飲み込むことができ、尿が半日以上止まることなく排泄されている場合。また、発熱が解熱傾向にあり、息苦しさや首の激しい腫れが見られない場合は、前述の鎮痛薬や抗炎症薬、加湿を行いながら自宅で安静を保つことが合理的です。
【直ちに医療機関(耳鼻咽喉科・救急外来)を受診すべき危険なサイン】
以下の症状が1つでも認められる場合は、インフルエンザウイルス感染に続発する重篤な細菌感染症(急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍、深頸部感染症など)の疑いがあるため、直ちに医師の診察を受けてください。
- 呼吸困難・吸気性喘鳴:息を吸うときにヒューヒュー、ゼーゼーと音がする、横になると息が苦しい。
- 完全な嚥下不能:唾液を一切飲み込めず、口から垂れ流してしまう状態。
- 開口障害(トリスムス):指が縦に2本以上口に入らないほど顎が開きにくい。
- 発声の変化(含み声):熱いジャガイモを口に含んだような籠もった声(ホットポテトボイス)になる。
- 5日以上の高熱と悪化:解熱せず、片側の喉だけが異常に腫れ上がって激痛が増悪している。