医療界における議論を決定づけたのが、日本癌学会学術総会や関連学会で複数の臨床医・研究機関から発表された独自の検証結果です。複数の主要病院や大学病院において、実際にがん治療中または診断確定直後の患者を対象に線虫がん検査を実施したところ、公表値とは大きく乖離する検出率にとどまったという報告が相次ぎました。
ある地域中核病院の医師グループが実施した追跡調査では、PET-CTや内視鏡でがんが確定している患者の少なからぬ割合が「低リスク(陰性)」と判定された一方、人間ドックで異常なしと判定された多数の健康な受診者に「高リスク(陽性)」判定が出るという逆転現象が提示されました。学会のディスカッションでは、以下のような本質的な懸念事項が挙げられています。
第一に、「検査の再現性(同一検体での一貫性)」に対する統計的疑問です。同じ被験者の尿を別々のロットで検査した際に判定の一致率がどの程度保たれるのかについて、第三者機関による独立した大規模二重盲検試験のデータが不足している点が問題視されています。第二に、尿検査 がんリスク スクリーニングとして普及させるにあたり、死亡率減少効果を証明する疫学的な追跡データ(前向きコホート研究)が未だ確立されていない点です。日本癌学会をはじめとするがん専門医の多くは、「確定診断の根拠にすることはできず、定期的な公的がん検診の代わりにはならない」という慎重な見解を維持しています。