スタイリングの見栄え以上に、美容ジャーナリズムの観点から警鐘を鳴らしたいのが「マフラー着用に伴う毛髪の物理的破壊」です。
冬場の乾燥した大気中において、アクリルやポリエステルなどの化学繊維マフラーと乾燥した毛髪が擦れ合うと、瞬間的に数千ボルト規模の静電気が発生します。毛髪診断士の検証データによると、静電気が発生した毛髪はキューティクルが無理やり開いた状態になり、内部の間充物質(ケラチンタンパク質や水分)が流出しやすくなります。
さらに、マフラーに髪を入れたまま歩行やデスクワークを行うと、首の微細な動きによって1日に数千回もの摩擦運動が繰り返されます。これにより、マフラーと直接接触している襟足・後頭部内側の毛髪はキューティクルが削り取られ、春先になって「枝毛・切れ毛が急激に増える」「襟足だけが激しくチリつく」という深刻なダメージトラブルを引き起こすのです。
この見えないダメージを未然に防ぐためには、以下の3つのプロテクト習慣が不可欠です。
- 油分による皮膜形成:マフラーを巻く前に、毛先および首筋に当たる内側の髪へヘアオイルやバームを念入りに馴染ませ、繊維との滑りを滑らかにしておく。
- 天然繊維の選択:マフラーの素材に、帯電しにくく保湿性に優れたカシミヤ、シルク、または上質なウール100%の素材を選ぶ(化学繊維混紡の場合は静電気防止スプレーを裏面に吹き付ける)。
- 帰宅後のブラッシング:帰宅後は目の粗い木製ブラシや豚毛ブラシで静電気を逃がしながら、マフラーで絡まった毛束をやさしくほぐす。