『ほんとにあった怖い話』が他のホラー番組と一線を画す最大の理由は、「視聴者から寄せられた実体験の手記」をベースにしている点にあります。その源流は、1990年代に朝日ソノラマ(現・朝日新聞出版)が刊行していた同名の怪談コミック誌『ほんとにあった怖い話』に遡ります。一般読者の恐怖体験をプロの漫画家が描き起こすという画期的な手法が、のちの映像化プロジェクトの礎となりました。
映像化にあたっては、演出陣が投稿者への詳細な追加取材を行い、現場の状況や心理状態を克明に再現するプロセスが徹底されています。制作関係者の証言によると、寄せられる年間数千通もの手記の中から、単に「お化けが出た」という現象だけでなく、「なぜその怪異が起きたのか」「当事者の感情がどう揺れ動いたのか」という人間ドラマを備えた題材が厳選されているといいます。
かつて番組名物であった「心霊写真鑑定」コーナーに関しても、単なる恐怖の煽動ではなく、霊能者による供養や原因究明をセットにすることで、視聴者に一定のカタルシスと安心感を提供する構成が取られていました。怪異の真相をすべて科学的に暴くのではなく、「不可解な現象を前にした人間のリアリズム」を丹念に描く姿勢こそが、長寿シリーズとしての信頼性を築き上げています。