都心部の鉄道網に慣れていない旅行者の間で散見される典型的な失敗事例が、「東京駅で東京メトロ丸ノ内線に乗り、御茶ノ水駅でJR総武線に乗り換えて水道橋駅を目指す」というパターンです。路線図を平面的に見渡すと綺麗につながっているように映るため、一見合理的な選択肢に見えてしまいますが、これは絶対に避けるべき移動の罠として関係者の間では知られています。
その実態を現地取材の視点から掘り下げると、以下の物理的ハードルが立ち並びます。
第一に、東京メトロの御茶ノ水駅とJRの御茶ノ水駅は完全に独立した別構造になっています。地下鉄の改札を出た後、地上に出て神田川に架かるお茶の水橋を渡り、坂を上り下りしながらJR線の改札へ向かう必要があります。道路信号のタイミングや通勤通学客の流れに阻まれると、この屋外徒歩移動だけで5分前後の時間を容赦なく消費します。
第二に、初乗り運賃の合算によるコスト増です。東京メトロの運賃(IC 178円)とJRの運賃(IC 146円)がそれぞれ徴収され、合計で300円以上を支払う計算になります。JR線のみを利用すれば167円で完結するところを、倍近い費用を払いながら過酷な徒歩連絡を強いられる結果となり、移動効率の観点からはまったく推奨できません。
東京メトロ丸ノ内線を利用して東京ドーム方面へ向かう場合の唯一にして最大の正解は、「御茶ノ水で降りるのではなく、後楽園駅まで乗り続けること(乗車約9分)」です。後楽園駅は東京ドームの北側(25番ゲート・ラクーア側)に直結しており、目的地がドームであるならば、水道橋駅の利用に縛られる必要すらありません。