日々の現場では、どのようなシーンでショートカットの不発に苛立ち、また工夫を重ねているのでしょうか。大手IT企業の総務・情報システム部門の担当者や、日夜データ入力に追われるデスクワーカーの証言からは、仕様への無理解が生むロスタイムが浮き彫りになります。
都内の大手金融機関でデータオペレーションを統括するマネジメント担当者(42歳)は、現場の研修について次のように明かします。
「新入社員や中途採用者のPCセッティング後に必ず受ける問い合わせが、『全選択が効かない』というものです。画面を見に行くと、そのほぼ100%がブラウザの別タブにフォーカスが吸われていたり、Excelの2度押しルールを知らないだけでした。本人にとってはPCのバグに見えても、仕様を知るだけで1人あたり年間数十時間もの無駄な試行錯誤を削ぎ落とせます」
また、昨今利用頻度が激増しているスマートフォン業務でも、選択機能に対する不満や疑問がネット上のコミュニティ(SNSや知恵袋など)で目立ちます。PCと勝手が異なるiPhoneにおける全て選択の操作方法では、単語を長押しまたはダブルタップした際にポップアップ表示されるコンテキストメニューから「すべて選択」をタップするのが基本手順です。iOSのバージョンによっては、画面内を二本指でドラッグして複数行を一気に選択するジェスチャーも実装されていますが、PCのようにキーボードで物理的にコマンドを送れないため、タップ位置のズレによるストレスを訴える声が根強く存在します。