調理に入る前段階で仕上がりの質を大きく左右するのが、適切な下処理です。ブロッコリーは表面に天然の油脂成分(ブルーム)を分泌して水を弾く性質があるため、流水の下でサッと流すだけでは内部の汚れや埃、稀に入り込んでいる小さな虫を取り除くことができません。
そこでおすすめしたいのが、ブロッコリーの洗い方と虫の落とし方としてプロも実践する「水没振り洗い」です。ボウルにたっぷりの水を張り、ブロッコリーの茎を持って房全体を逆さまに水没させます。そのまま10分〜15分ほど放置すると、乾燥していた蕾が自然と緩みます。その後、水の中で房を激しく回転させるようにジャブジャブと振り洗いをすることで、奥に入り込んだ微細な異物や虫が遠心力と水圧で綺麗に浮き出てきます。
続いて重要なのが切り分け方です。蕾の上から包丁を力任せに入れてしまうと、花蕾がボロボロと粉状に散ってしまい、見た目も歩留まりも悪化します。房の根本の小枝部分に包丁で深さ1センチほどの切り込みを入れ、あとは手で裂くように左右に割ると、蕾を傷つけることなく美しく均等な小房に分けることができます。
また、決して捨ててはならないのが「茎(芯)」の部分です。ブロッコリー茎の切り方と下処理の基本は、外側の硬い繊維層を躊躇なく厚めに切り落とすことにあります。外皮を3ミリほど削ぎ落とすと、中央から半透明で柔らかい部分が現れます。この芯の部分は、実は花蕾以上に糖度が高く、ビタミンCも凝縮されている部分です。5ミリ幅の輪切りや短冊切りにして房と一緒に加熱すれば、アスパラガスを思わせるシャキシャキとした上質な食感を楽しむことができます。