SHISHAMOの歴史を語る上で欠かせないのが、2014年9月に起きたベーシストの交代劇です。当時、高校生バンドとして頭角を現し、デビューアルバムから急速に支持を拡大していた最中の出来事であったため、多くの初期ファンに強い衝撃を与えました。「SHISHAMO 脱退 理由」という検索クエリが今なお上位に残る最大の震源地がこの出来事です。
当時脱退した初代ベーシスト・松本彩 脱退理由は、音楽業界で頻見される「音楽性の不一致」や「メンバー間の確執」といったネガティブなものではありませんでした。公式アナウンスおよび当時のインタビュー資料によると、バンド結成当初から交わされていた「20歳を迎えたらバンドを抜けて普通の生活に戻る」という約束を忠実に履行した結果でした。宮崎朝子(Gt/Vo)や吉川美冴貴(Dr)も高校時代からその決意を知っており、引き止めながらも彼女の人生の選択を尊重して送り出したという、極めて誠実な卒業だったのです。
そして、後任となった松岡彩 加入経緯は、現在でも邦楽ロックシーンの語り草となっています。2014年夏、大阪の野外ロックフェス「RUSH BALL」の舞台裏で、当時専門学校生としてケータリングなどの裏方アルバイトをしていた松岡彩に対し、ベースを探していた宮崎朝子が「ベース弾ける?」と声をかけたことがきっかけでした。その後、スタジオでの音合わせを経て正式加入が決定。「名前が同じ『あや』だから」というユーモア溢れる逸話とともに公表されましたが、実際には松岡の卓越した人柄とグルーヴが、バンドに新たな推進力をもたらす契機となりました。