明日香村の亀形石造物はなぜ作られた?斉明天皇の謎と用途の真相に迫る

明日香村の亀形石造物はなぜ作られた?斉明天皇の謎と用途の真相に迫る

明日香村の亀形石造物はなぜ作られた?斉明天皇の謎と用途の真相に迫るの疑問点について、専門知識を取りまとめてご紹介します。

この遺構の真骨頂は、現代の土木工学から見ても卓越した水路の仕組みにあります。水源となる湧水や引水は、まず北側の「小判形石造物」に注がれます。ここで不純物を沈殿・ろ過させた後、細い水路を通って「亀形石造物」の頭部へと流れ込む設計です。

亀の形をした花崗岩は全長約2.4メートル、幅約2メートル。甲羅部分が直径約1.25メートル、深さ約20センチの円形プールのように彫り込まれており、鼻の穴から水が注ぎ出されると、甲羅のくぼみに清らかな水が満ちる仕掛けになっています。さらに水が一定量に達すると、亀の尻尾にあたる部分に設けられた栓(木製または石製と推測される)を抜くことで排水管へと流れていく構造でした。水流の高低差や水圧を完全に計算し尽くした、飛鳥時代における最高峰の石工技術の結晶です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。