星野鉄郎とともに銀河を旅する間、メーテルが自ら服を脱ぎ去る描写は極めて限られています。そのため、読者の間では「コートの下は機械の骨組みがむき出しなのではないか」「服そのものが身体の一部なのではないか」といった様々な憶測が飛び交ってきました。
劇中の描写や公式設定を紐解くと、メーテルがコートを脱いだ中身は、息をのむほど美しい生身の女性の姿をしています。作中のお風呂シーンなどでも確認できるように、外見上はどこから見ても柔らかな皮膚と温もりを持った生身の人間そのものです。しかし、その肉体には常人とは決定的に異なるSF的構造が秘められていました。
メーテルのコートの下にある肉体は、生まれ持った本来の身体ではなく、魂を宿すために用意された「器(クローン肉体)」に過ぎません。彼女は長い年月を生き抜くため、定期的に肉体を乗り換えながら存在を保ち続けています。つまり、視覚的には完全な人間の美女でありながら、その本質は「いつ交換されてもおかしくない人工の器」という残酷な二面性を抱えているのです。