出馬当初、宮城5区における森下氏への視線は極めて冷ややかなものでした。対戦相手の安住淳氏は当選を重ねる野党の大物であり、石巻をはじめとする沿岸部には強固な後援会組織が張り巡らされていたためです。「知名度だけで勝てるほど東北の選挙は甘くない」という厳しい声が地元紙やSNS上でも目立ちました。
しかし、選挙戦を通じて森下氏は愚直なドブ板選挙を徹底。港湾関係者や水産加工業者、農家を一軒一軒訪ね歩き、中央の論理ではなく現場の課題に耳を傾ける姿勢を見せました。その結果、2021年の初陣では敗れたものの、82,000票以上を獲得し、安住氏を激しく追い詰める善戦を見せました。
さらに地元関係者を驚かせたのは、選挙後の行動です。落選したタレント候補の多くが東京へ戻ってしまう中、森下氏は石巻市在住を継続し、事務所を開放して市民相談やボランティア活動に従事し続けました。この「逃げずに腰を据えた姿勢」が、保守層のみならず浮動層や地元産業界の信頼を勝ち取る最大の要因となりました。