享栄出身の投手陣が誇る異能の才といえば、変幻自在のアンダースローで日米の打者を翻弄した牧田和久の存在を外すことはできない。高校時代から独特のピッチングセンスを発揮していた牧田は、大学・社会人野球を経て埼玉西武ライオンズへ入団。新人王を獲得すると、すぐさま球界屈指のサブマリンとしてその名を轟かせた。
地上ギリギリから放たれる浮き上がる直球と緩急自在のコンビネーション。プロ野球の猛者たちが次々とバットを空に切る光景は壮観だった。さらにはメジャーリーグのサンディエゴ・パドレスでも活躍し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の守護神としても世界を相手に堂々の投球を披露。過酷な登板機会にも眉一つ動かさずマウンドに向かうタフネスぶりは、まさに享栄で培われた泥臭い鍛錬の賜物だ。