バイオレンスやアクションの分野で世界的評価を確立してきた三池崇史監督だが、本作で見せた手腕は、従来のサスペンス映画の文脈を鮮やかに塗り替えた。極限まで削ぎ落とされた空間演出と、静寂と不穏な効果音を巧みに交差させる音響設計は、まさに「密室ミステリー」の新境界と言える。
邦画の金字塔を打ち立てた東宝の製作陣と三池監督の化学反応は、日本映画業界全体に大きなインパクトを与えている。大仕掛けなセットや派手なCGに頼らずとも、極上のシナリオと演出力、そして役者の力量があれば世界に通用するエンターテインメントを生み出せることを、本作は見事に証明してみせた。