母親が去った後の家庭で、母代わりとなって吉高兄妹を深い愛情で包み込んだのが父方の祖母でした。多忙を極める父親に代わり、朝食やお弁当を用意し、厳しくも温かい躾(しつけ)を施したのがこの祖母でした。
吉高さんは芸能界でも屈指の料理好きとして知られていますが、その味付けのベースや家庭料理の手際の良さは、すべて台所で祖母の背中を見て覚えたものです。テレビ番組の特番などで「おばあちゃんが作ってくれた煮物や卵焼きが私の原点」と語る吉高さんの瞳には、深い感謝の念が宿っています。
どんなに仕事が忙しくなっても祖母への連絡や顔見せを欠かさず、初任給やお祝いの節目には祖母に贈り物を届けていたというエピソードは、ファンの間でも有名です。家族の形が崩れかけたとき、柱となって孫の情緒を守り抜いた祖母の無償の愛こそが、吉高由里子という表現者の「情の深さ」を育んだ決定打でした。