「マナー違反であることは分かっていても、法的に禁止されているわけではない」という主張があります。実際の法律や運送約款上、どのような位置づけになっているのでしょうか。
現行の鉄道営業法や旅客営業規則において、電車内で化粧をする行為そのものを直接処罰する条文は存在しません。したがって、車内でメイク道具を取り出して顔を整えること自体は「違法行為」ではありません。
しかし、行為に伴う結果次第では法的な責任を問われる可能性があります。
- 民法第709条(不法行為責任・損害賠償):電車の揺れなどによってファンデーションやリップ、マスカラが隣の乗客の高級スーツやバッグに付着した場合、過失による財産侵害となり、クリーニング代や洋服の買い替え費用などの損害賠償義務が発生します。
- 過失傷害罪・傷害罪:急停車時にアイライナーやビューラーが他人に刺さり、怪我を負わせた場合、刑事上の過失致傷罪に問われるリスクが法的に排除できません。
- 鉄道営業法第34条(車内秩序の維持):化粧を巡る注意から激しい口論になり、大声で騒ぎ立てたり運行を妨げたりした場合、係員の指示に従わなければ列車からの退去を命じられる対象になります。