世界的なシティポップのリバイバルブームにより、菊池桃子がかつて率いたバンドプロジェクトやソロ時代の名盤が再評価の波に乗っている。映画『テラ戦士ΨBOY』で鮮烈な映画初主演を飾り、80年代女性アイドルの象徴として時代を駆け抜けた彼女の楽曲は、若い世代のリスナーにとっても新鮮な響きを持つ。
家庭内において、母の音楽や過去のキャリアがどのように共有されているのかは興味深いテーマだ。昭和のポップカルチャーがデジタルネイティブ世代にクールなものとして受容される昨今、娘にとっても母が築いてきた表現者の歴史は誇らしいものに違いない。
家庭内には常に音楽と本、そして知的な対話が溢れていたという。母が時代のアイコンとして脚光を浴びた過去を押し付けることなく、ごく自然体で文化的な豊かさを共有する環境が、娘の知性豊かな人間性を育む土壌となった。