温泉地としての本質である泉質についても、確かな事実を確認しておく必要があります。弁天島温泉は、浜名湖と太平洋(遠州灘)が交じり合う汽水域の砂州に湧出する温泉であり、その歴史は昭和40年代の源泉開発に遡ります。
公的機関の温泉分析書によると、泉質は主にナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉(低張性・弱アルカリ性・冷鉱泉)。海のミネラルを豊潤に含んだ泉質は、塩分が肌に皮膜を形成するため湯冷めしにくく、高い保温・保湿効果を誇ります。
弁天島温泉泉質と効能における代表的な適応症は、きりきず、末梢循環障害、冷え性、疲労回復、筋肉痛、神経痛など。湧出温度が低いため加温・循環ろ過を行っている施設が主流ですが、木漏れ日を感じる桧風呂や自然石をふんだんに配置した露天風呂に浸かると、身体の芯までじんわりと熱が染み渡り、浴後には肌が滑らかに整う感覚をはっきりと実感できます。草津や別府のような強烈な硫黄臭を求める湯治派には穏やかすぎると映るかもしれませんが、ファミリー層や長湯を楽しみたい旅行者には極めて優しい湯質です。