この革新的なスタイルの起源をたどると、2013年に東京・渋谷の奥渋エリアにオープンした「瑞兆(ずいちょう)」に行き当たります。
わずか数席のカウンターのみで営業する瑞兆のメニューは「カツ丼」の1種類のみ。熱々のご飯の上にタレをかけ、さっと火を通した薄焼き卵を敷き、その上に揚げたてのカツを乗せて特製の甘辛タレを回しかけるというスタイルを創業当初から貫いています。出汁で煮込まず、卵をクッションのように敷くこの独自の手法こそが、現在につながる「とじないカツ丼」の原点です。
瑞兆が築いた「タレカツ×敷き卵」のベースに、近年では低温調理を駆使した極厚カツを組み合わせるなど、各店がオリジナルのアレンジを施したことで、現在の多様なブームへと結実していきました。