声の再現度以上に世間を驚かせたのが、武内駿輔氏の圧倒的な歌唱力でした。オラフの代表曲である『あこがれの夏(In Summer)』の新録バージョンや、続編『アナと雪の女王2』の劇中歌『おとなになったら(When I Am Older)』で見せたパフォーマンスは、音楽関係者からも極めて高い評価を獲得しています。
オラフの歌唱は、単に音程通りに歌うだけでは成立しません。無邪気な子どものような高揚感、コミカルな台詞回し、そしてブロードウェイ・ミュージカル特有のダイナミックな抑揚が求められます。英語版でオラフを演じる俳優ジョシュ・ギャッド(Josh Gad)の卓越したリズム感に対し、武内氏は見事なシンクロを見せました。
テレビ番組のインタビューや音楽特番において、武内氏は「オラフとして歌う際は、キャラクターの感情の動きを最優先にし、あえて完璧な発声を崩しながら歌っている」と語っています。本来はクラシックやジャズ、R&Bまで歌いこなす屈指の歌唱力を持つ彼だからこそ、「高い技術を隠してキャラクターになりきる」という贅沢な表現が可能になったのです。