カラオケにおける「しゃくり」とは、目的の音程よりもわずかに低い位置(半音から全音下)から発声を開始し、音を滑らかに持ち上げながら本来の音程へ到達させる歌唱テクニックを指します。音楽理論では「ポルタメント」や「グリッサンド」の一種に位置づけられ、音と音のあいだに柔らかなグラデーションを生み出す効果を持ちます。
全国に100校以上を展開する大手ボイストレーニングスクール「NAYUTAS(ナユタス)」の指導データやボイトレ現場の知見によると、しゃくりはJ-POPのみならず演歌、R&B、ボカロ楽曲に至るまで感情を吹き込むための基礎技術として日常的に用いられています。語頭で音をすくい上げるように立ち上げることで、フレーズに憂いや切なさ、あるいは力強いニュアンスを付与できる点が最大の特徴です。
採点中の画面に表示されるガイドメロディにおいて、音程バーしゃくりマークの意味は「システムが規定のピッチ変動(低域から目的音への滑らかな移行)を正しく検出した合図」を示します。DAMでは上向きの波線状アイコン、JOYSOUNDでも上方向への曲線マークがリアルタイムに点灯します。このマークは、歌唱者がそのフレーズに対して意図的か無意識かを問わず、機械の検知条件を満たすピッチシフトを行った客観的証拠となります。