歩行時に膝裏へ違和感や痛みが生じる場合、単なる筋肉疲労ではなく、膝の内部構造で炎症や組織損傷が起きている可能性が高い。臨床現場の第一線で治療にあたる整形外科専門医によれば、膝裏痛の背景には大別して3つの代表的疾患が潜んでいるという。
第一に疑われるのが「ベーカー嚢腫(のうしゅ)」だ。膝関節の潤滑油である滑液が関節包の裏側に過剰に溜まり、風船のように膨らむ病態である。初期は無症状なこともあるが、大きくなると歩行時の圧迫感や曲げ伸ばし時の痛みを引き起こす。第二に「半月板損傷」。膝関節のクッション役割を果たす軟骨組織が擦り減ったり亀裂が入ったりすることで、膝裏に牽引痛が生じる。そして第三が、加齢や関節の磨耗によって進行する「変形性膝関節症」だ。初期症状として膝裏の突っ張り感が現れるケースは決して少なくない。