市販薬や冷却処置を講じても激痛が制御できず、前述の危険な兆候が見られる場合、通常の歯科医院が開いていない時間帯であっても医療機関へのアクセスを確保しなければなりません。日本国内における夜間休日急患歯科の受診方法には、確立された連絡ルートが存在します。
まず活用すべきは、各自治体が整備している救急安心センター事業「#7119」(対応エリア外の場合は各都道府県の救急医療情報センター)です。医師や看護師などの専門職が24時間体制で待機しており、患者の症状から緊急性をトリアージした上で、現在受入可能な休日夜間急患診療所や当番歯科医院を即座に照会してくれます。
また、大半の政令指定都市や都道府県の歯科医師会では、日曜日・祝日・年末年始に輪番制で「休日救急歯科診療所」を開設しています。これらの急患施設は、抜歯や精密な根管治療などの根本的治療を行う場ではなく、「激痛を止めるための最低限の外科処置(膿の切開排膿、神経の鎮痛消炎処置)」に特化した応急処置施設です。受診にあたっては、以下の携行品と心構えが必要です。
- マイナ保険証または健康保険証(必須):持参しない場合、全額自費診療となり数万円規模の初期費用が発生します。
- 服用中のお薬手帳:血液をサラサラにする抗凝固薬や骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート製剤など)を服用している場合、処置内容が厳格に制限されるため不可欠です。
- 現金:急患センターではクレジットカードやキャッシュレス決済に対応していない窓口が現在も存在するため、1〜2万円程度の現金を必ず用意します。
- 受診前の電話連絡:直接飛び込むのではなく、事前に電話で現在の混雑状況と症状を伝え、受入体制が整っているか確認することが二次的トラブルを防ぐ要訣です。