カメオ本体だけでなく、それを取り囲む金属フレームや留め具の構造も、真贋や製作年代を特定する極めて重要な情報源です。
まずチェックすべきはフレームの貴金属刻印です。上質な本物のカメオブローチには、K18や750(18金を示す国際基準表示)、Pt900(プラチナ)、あるいは925(スターリングシルバー)といった刻印がフレームの裏側やバチカン(ペンダント兼用金具)に打刻されています。模造品や安価な土産物の場合、金メッキを示す「18KGP」「18KGF」の表記があるか、刻印自体が存在しない真鍮・合金枠であることが大半です。
さらに、裏面の金具ピンの形状を精査することで、アンティークカメオの年代判別が可能です。
- 19世紀ビクトリア朝期(1837〜1901年):受け金具にロック機構がないシンプルな「C型クラスプ」が主流。ピン自体がフレームの枠外まで長く突き出しているのが特徴です。ヒンジ部分には「Tバー」と呼ばれる管状の構造が多用されました。
- 20世紀初頭〜アールデコ期(1900〜1930年代):ピンを引き出して固定する「トロンボーンクラスプ(引き出し式)」がヨーロッパを中心に普及しました。
- 20世紀半ば以降〜現代:回転させてピンの脱落を防ぐ「回転式セーフティクラスプ」が標準仕様となり、現代のジュエリーの多くに採用されています。
もし「19世紀のアンティーク」と謳われながら、現代的な回転式セーフティ金具が取り付けられていた場合、後から金具を修復・交換した実用品であるか、あるいは時代を偽ったレプリカである可能性が疑われます。