2023年冬に公開された続編『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』。この続編プロジェクトが立ち上がった際、二階堂ふみは再び大きな葛藤に直面していました。前作が日本アカデミー賞を含め社会的にも作品的にもあまりに綺麗に完結していたため、「前作を超える熱量を生み出せるのか」「蛇足になってしまわないか」という強い懸念を抱いていたからです。
当時の制作発表記者会見や各社メディアのロングインタビューで、彼女は「本当に続編をやるんですか?と、最初は監督に率直に疑問をぶつけました」と振り返っています。さらに制作過程においては、主演のGACKTが重度の体調不良により無期限の活動休止を発表し、撮影が無期限延期となるアクシデントも発生しました。
プロジェクトの存続そのものが危ぶまれる中、彼女の心を動かしたのは、病を克服して現場に戻ってきたGACKTの不屈の執念と、プロデューサー陣の愚直なまでの情熱でした。「この座組だからこそ作れるバカバカしさと愛がある」と確信した二階堂ふみは、ふたたび金髪のウィッグを被り、壇ノ浦百美として現場に立つことを決意しました。
続編では関西(滋賀・大阪・京都など)を舞台にした激動の東西対決が描かれるため、百美は東京と埼玉を守る後方支援の指揮官というポジションを務めました。物理的な移動が制限される難しい役回りでありながら、麗への一途な思いと都知事の血を引く誇り高さを熱演し、作品の精神的アンカーとしての役割を完璧に全うしました。