サン・ピエトロ大聖堂のセキュリティゲートを通過する際、金属探知機以上に厳格なスクリーニングが行われているのが「服装規定(ドレスコード)」です。現地警備員による目視チェックは極めて厳格であり、どれほど長い時間列に並んでいたとしても、規定を満たしていない来訪者はその場で容赦なく入場を拒否されます。
「真夏で気温が38度を超えていたため、ノースリーブにハーフパンツ姿で並んでいた。2時間待ってようやく入口に到達した瞬間、警備員に無言で首を振られ、列の外へ弾き出された」という日本人旅行者の手記は、決して大げさな例外ではありません。広場周辺の露店では、入場を断られた観光客向けに割高なストールや使い捨ての紙製ポンチョが売られていますが、生地が薄すぎて透けている場合はそれでも入場を止められる事例が報告されています。
現場で求められる具体的な身だしなみ基準は以下の通りです。
- 肩の露出禁止:タンクトップ、キャミソール、オフショルダーなどは厳禁。半袖Tシャツやカーディガンなど、肩先を完全に覆う衣服の着用が必須。
- 膝の露出禁止:ショートパンツ、ミニスカート、丈の短いワンピースは不可。膝頭がしっかりと隠れる長さのパンツやロングスカートが求められる。
- 頭部のマナー:男性の帽子着用は堂内では原則禁止(脱帽)。女性のベール着用は自由だが、顔全体を覆うような覆面類は防犯上許可されない。
- 不適切な装飾の排除:攻撃的なメッセージや宗教への侮蔑、過度に派手なスローガンがプリントされた衣服も静止の対象となる。
夏場にローマを散策する際は、通気性の良い大判のストールや薄手の羽織ものを常にバッグへ忍ばせておくことが、無用なトラブルを防ぐ鉄則です。