目元の皮膚は人体の中で最も薄く、厚さはわずか0.5mm程度しかありません。そのため、わずかな炎症や分泌腺の詰まりでも目立つ腫れやしこりとして表面化します。原因を特定する最大のカギは、「自発痛の有無」「できものの色調」「発生した部位」の3要素にあります。
まず、まぶたのできものが痛いと感じる場合、その大半は細菌感染を伴う急性炎症です。まつ毛の毛根や皮脂腺(ツァイス腺・モル腺)に黄色ブドウ球菌などが感染すると、まぶたが赤く腫れる理由となり、触れたり瞬きをしたりするだけで強い痛みが走ります。この状態を医学的には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と呼びます。
一方で、まぶたのできものが痛くないにもかかわらず、皮膚の下にコリコリとした硬い玉のような異物感を覚えるケースがあります。これは「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」の典型的なサインです。眼瞼の縁にある皮脂分泌腺であるマイボーム腺の詰まりによって分泌物が停滞し、無菌性の肉芽腫(しこり)が形成されることがまぶたのしこりの原因となります。
また、まぶたのできものが白い、あるいは黄色っぽい小さな粒として現れる場合、病態はさらに細分化されます。代表的なものは以下の3つです。
- 稗粒腫(はいりゅうしゅ):皮膚の浅い層に角質や皮脂が袋状に溜まった1〜2mmの白い球状病変。痛みや痒みはなく、いわゆるまぶたの脂肪のかたまりと誤認されやすい良性病変。
- マイボーム腺梗塞:まつ毛の生え際の内側やまぶたの裏のできものとして観察される、脂質が石灰化して白〜黄色に固まった状態。結膜を刺激してゴロゴロ感を生じることがある。
- 眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ):目頭付近に好発する平たい黄白色の隆起。脂質代謝異常やコレステロール値の上昇と連動して発生するケースが多い。