近年、株式会社cottaが提供する高機能な製菓用天板やシルパン(メッシュ状のベーキングシート)、クックパッドやクラシル、YouTubeで配信される実践的な動画レシピにより、家庭製菓のレベルは劇的に向上した。ABCクッキングスタジオなどの現場でも、家庭用電気オーブンの熱風対策が熱心に研究されている。
家庭用オーブン最大の弱点は、扉を開けた瞬間の庫内温度の急降下と、ファンによる過度な熱風乾燥だ。プロ用のデッキオーブンと異なり、上火と下火の個別制御が難しいため、シルパンの導入が劇的な効果を生む。網目から余分な油脂と蒸気が抜け、底面の焼き縮みを防ぎながら均一な火入れが可能になるのだ。
予熱は目標焼成温度より20℃高く設定する。200℃でしっかり予熱した庫内に生地を滑り込ませたら190℃で15分、膨らみきったところで170℃に落としてさらに15分。途中で絶対に扉を開けてはならない。冷気が入り込んだ瞬間、膨らみかけたグルテン構造は無残に崩壊する。