還元水飴とは?体に悪い噂の真相と砂糖との違いを専門家が徹底解説

還元水飴とは?体に悪い噂の真相と砂糖との違いを専門家が徹底解説

還元水飴とは?体に悪い噂の真相と砂糖との違いを専門家が徹底解説とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

食品の原材料表示に「還元水飴」と記載されているのを見て、石油系由来の合成化学物質を連想する人がいるかもしれないが、これは完全な誤解である。還元水飴の原料は、トウモロコシでんぷん(コーンスターチ)やタピオカ、馬鈴薯(じゃがいも)などの植物性でんぷんであり、通常の水飴と全く同じ天然資源から出発している。

では、なぜ「還元」という名が付くのか。その理由は製造工程にある。でんぷんを酵素や酸で加水分解して作られた液状の水飴に、高圧下でニッケル触媒などを用いて水素を結合(化学用語で「水素化還元」)させる。この工程により、糖分子が持つ還元末端(アルデヒド基やケトン基)が水酸基へと変化し、化学的に極めて安定した糖アルコール(マルチトールやソルビトール、オリゴ糖アルコールなどの混合体)へと姿を変えるのだ。

日本の食品表示法上における位置づけも明確である。アスパルテームやスクラロースのような高甘味度化学合成品は「指定添加物」として扱われるが、還元水飴は「食品添加物」ではなく、砂糖や水飴と同じ「一般食品(一般加工食品)」に分類されている。厚生労働省や消費者庁の厳格な分類基準においても、添加物枠ではなく食品原材料として登録されている事実は、この成分の素性を理解する上で極めて重要な前提である。

また、味覚特性としては、砂糖のような鋭く強い甘みではなく、通常の水飴に近い穏やかでクセのない甘みを持つ。熱や酸に強く、アミノ酸と反応して褐色に変化する「メイラード反応」を起こさないため、食品の透明度や色合いを保ち、保湿性によって製品のしっとり感を長持ちさせる用途として、和菓子、洋菓子、漬物、練り製品などに重宝されている。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。