料理の現場や家庭のキッチンで長年議論されてきた「ネギの青い部分は食べるべきか、捨てるべきか」という疑問。栄養学的な見地から導き出される明確な結論は、「絶対に捨てずに食べるべき」という事実です。
文部科学省が公表する『日本食品標準成分表』のデータを紐解くと、長ネギは同じ1本の野菜でありながら、日光を浴びて光合成を行った「青い部分(葉身)」と、土を盛って白く育てられた「白い部分(葉鞘)」で栄養学的分類そのものが異なります。白い部分は「淡色野菜」に属するのに対し、青い部分はほうれん草や人参と同じ「緑黄色野菜」に分類されます。
特に特筆すべきは、β-カロテンの含有量です。青い葉の部分には、白い部分と比較して約30倍以上ものβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や喉・鼻などの粘膜を健康に保ち、免疫機能を正常に維持する極めて重要な抗酸化栄養素です。
さらに、コラーゲンの生成を助け免疫細胞を活性化させるビタミンC、骨の健康に関わるビタミンKやカルシウム、抗酸化作用を持つ葉緑素(クロロフィル)も青い部分に偏って多く蓄えられています。「硬いから捨てる」という選択は、高機能な栄養カプセルをそのまま生ゴミ箱へ放り込んでいるのと同義といえます。