センザンコウは、哺乳綱有鱗目(ゆうりんもく)センザンコウ科に分類される動物の総称です。一見すると爬虫類や恐竜の生き残りのようにも見えますが、母親の胎内で育ち、生まれてからは母乳で子を育てる正真正銘の哺乳類です。
最大の特徴は、体毛が変化してできた「硬いケラチン質のウロコ」が頭部から尾の先まで瓦状に重なり合っている点です。ケラチンは人間の爪や髪の毛、サイの角と同じ成分であり、刃物でも容易には貫通できないほどの強度を誇ります。危険を察知すると、頭とお腹を内側に巻き込んで完全な球体へと変化し、鋭いウロコの縁を逆立てて外敵の攻撃を完全にシャットアウトします。
食性は極めて特化しており、主食はアリとシロアリです。口の中には歯が一本もありませんが、代わりに体長の半分以上にも達する長大で粘着性のある舌を持っています。強力な前脚の爪で頑丈なアリ塚を突き崩し、隙間に舌を差し込んでアリを舐め取ります。成獣1頭あたり年間で約7,000万匹ものシロアリを捕食すると推計されており、森林がシロアリによって倒壊するのを防ぐ「森の守護者」としての役割を果たしています。