基礎疾患とは何が当てはまる?厚労省定義と重症化リスクを徹底解説

基礎疾患とは何が当てはまる?厚労省定義と重症化リスクを徹底解説

基礎疾患とは何が当てはまる?厚労省定義と重症化リスクを徹底解説について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。

医療現場において医師が最も頭を抱えるのが、「薬で数値が落ち着いているから、自分は基礎疾患持ちではない」という患者側の認知ギャップです。高血圧や2型糖尿病の初期から中期は、痛みも苦しみもほとんど伴いません。日常的な支障がないため、当事者の意識としては「健康な人間が予防のためにサプリ感覚で薬を飲んでいる」程度の錯覚に陥りがちです。

しかし病態生理学的には、「投薬によって人為的に数値を押し下げているに過ぎず、血管や細胞の脆弱性は修復されていない」という事実を直視しなければなりません。日本高血圧学会の専門医は、取材に対して次のように警鐘を鳴らします。

「降圧薬を飲んで血圧計の数字が125/80 mmHgを示していたとしても、長年の高血圧によって硬化・菲薄化した動脈壁が若返るわけではありません。ひとたび重篤なウイルス感染症にかかれば、激しい炎症性サイトカインの放出に伴って血管透過性が亢進し、血圧は急激に乱高下します。その衝撃に耐えられない微細血管が破綻し、脳卒中や急性心不全の引き金となるのです」

慢性呼吸器疾患と喘息に関しても同様の構造が存在します。発作が数か月起きていないからといって、気道粘膜の慢性炎症が消滅したわけではありません。気道上皮のバリア機能が低下している状態へウイルスが侵入すると、一気に気管支痙攣と分泌物の過剰産生が引き起こされ、健常者では数日で治まる上気道炎が数時間で致命的な低酸素血症へと変貌します。自覚症状の軽快は「病気が治ったこと」と同義ではなく、潜在的なリスクは常に体内に沈殿しているのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。