旭化成陸上部のアイデンティティは、創業の地である宮崎県延岡市にあります。首都圏に拠点を置く他チームと異なり、選手たちは温暖な気候と豊かな自然に囲まれた環境で、陸上競技に全神経を集中させることができます。
過去に所属した選手の手記や特番インタビューでは、「延岡という土地は誘惑が少なく、走ること、食べること、休むことのリズムが自然と研ぎ澄まされる」と語られています。起伏に富んだクロスカントリーコースや海沿いのロードなど、脚作りに最適な練習環境が日常の中に整っている点は、他チームにはない圧倒的なアドバンテージです。
また、旭化成は「選手である前に一人の企業人である」という人間形成の教育も重んじています。競技引退後の社業復帰やセカンドキャリア支援の手厚さも、選手が安心して競技に打ち込める心理的安全性の基盤となっています。華やかな都市型実業団が増えるなかで、「本気で世界水準のマラソンランナーを目指すなら旭化成」という信頼は揺らいでいません。