炊き込みご飯を作る際、多くの人が直面するトラブルが「米に芯が残ってしまう」あるいは「全体がドロドロにべちゃつく」という食感の崩壊です。これらはすべて、浸水の順序と水分コントロールのミスから生じています。家庭で炊飯器炊き込みご飯プロの技を再現するためには、以下の物理法則を遵守しなければなりません。
第一に守るべきは、失敗しない水加減と浸水時間の手順です。絶対にやってはいけないのが「調味料を入れた出汁の中で米を浸水させる」ことです。塩分濃度が高い液体の中では浸透圧が働き、米の中心部まで水分が十分に吸収されません。結果として、外側だけがふやけて芯が硬いまま残る「芯残り現象」を引き起こします。洗米後はまず水だけで30分から45分しっかりと吸水させ、ザルに上げて完全に水気を切ってから、初めて調味料と出汁を合わせるのが鉄則です。
第二に、具材を米と決して混ぜ合わせてはいけません。調味料を溶かした出汁を炊飯器の目盛線にキッチリ合わせた後、具材は「米の上に平らに乗せるだけ」にとどめます。米と具材を混ぜてしまうと、炊飯器内部で発生する熱対流が分断され、釜の底と上部で激しい炊きムラが生じるためです。具材は蓋の役割として蒸気を閉じ込め、対流は米のみで行わせるのがプロの流儀です。