インターネット上の健康情報サイトやSNSでは、極端な言説が独り歩きしている場面が散見されます。検証取材を通じて明らかになった、代表的な3つの誤解を是正します。
第一の誤解は、「水出し(冷水抽出)にすれば緑茶のカフェインはゼロになる」という言説です。確かに、カフェインは80度以上の高温で溶け出しやすく、冷水では抽出速度が緩やかになるのは事実です。しかし、水出しであっても抽出時間を長く置けばカフェインは確実に水中に溶け出します。氷水でじっくり淹れた煎茶であっても、100mlあたり数mg〜十数mgのカフェインが含まれており、完全なフリーにはなりません。
第二の誤解は、「デカフェ処理の安全性に対する過剰な不安」です。かつて海外で有機溶媒(ジクロロメタン等)を用いてカフェインを抽出していた時代の情報が引きずられ、「デカフェは薬剤まみれで危険」という言説がネット上で散見されます。しかし、日本国内で流通しているデカフェ茶やコーヒーは、水や二酸化炭素のみを用いた安全な抽出プロセスが法律および業界基準で義務付けられており、薬剤残留の危険性は皆無と言えます。
第三の誤解は、「カフェインなしのお茶なら何リットル飲んでも胃腸に優しい」という過信です。例えばハトムギ茶には優れた利尿・排膿作用がありますが、漢方で「ヨクイニン」と呼ばれる生薬と同質であり、体を冷やす性質を持ちます。体質や気候を無視して過剰に摂取し続ければ、胃腸の冷えや下痢を誘発する引き金になり得ます。
【プロの結論】体質と生活リズムから導くおすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
これらを踏まえ、どのような人がどの選択肢を取るべきか、明確な基準を提示します。
【カフェインなしのお茶を迷わず選ぶべき人】
・夕方以降に摂取したカフェインで中途覚醒や入眠障害が起きやすい睡眠課題を抱える人
・胎盤や母乳を通じて刺激物を子どもに移行させたくない妊娠中・授乳期の女性
・胃酸過多や逆流性食道炎の傾向があり、胃粘膜への刺激を抑えたい体質の人
・1日2リットル以上の水分を仕事中や運動中に継続して補給する習慣がある人
【銘柄選びに特別な配慮・慎重さが求められる人】
・大豆・ソバなど特定原材料に対するアレルギー体質を持つ人(麦茶やルイボス茶を優先すべき)
・妊娠後期に入っており、高濃度ポリフェノールの過剰摂取を医師から指導されている人
・カリウム排泄機能が低下している腎疾患の治療中である人(コーン茶や特定のブレンド茶のカリウム含有量に注意が必要)