王将の天津飯を語る上で欠かせないのが、注文時にスタッフから投げかけられる「タレは甘酢、京風、塩、どちらにされますか?」という問いかけです(※一部地域や店舗で選択肢が異なる場合があります)。なぜ1つのメニューに対して3種類ものタレが存在するのか。その背景には、日本列島の東西における食文化のグラデーションと、王将が全国展開を果たす過程で育まれた顧客ファーストの歴史があります。
発祥の地である関西圏では、昆布や鰹の出汁文化に根ざした「京風だれ(醤油ベースの和風出汁仕立て)」が圧倒的な支持を集めてきました。一方で関東エリアに進出した際、東京の中華料理店で主流だった「ケチャップや酢を効かせた甘酢あん」を求める声に応える形で甘酢が定着。さらに、雑味のない鶏ガラと塩分で素材の味をダイレクトに楽しみたい層に向けて「塩だれ」が加わり、現在の盤石な3本柱が完成したという経緯があります。
自宅でこの3つの味を作り分けるための配合データを、編集部による試作検証値とともに比較表にまとめました。計量スプーン通りの正確な比率で作ることで、好みの味を寸分狂わず再現できます。
いずれのタレを作る場合も、王将天津飯あんとろみ黄金比は「水200mlに対して片栗粉大さじ1(同量の水大さじ1で溶く)」が鉄則です。これ以上片栗粉が多いと団子状の重たい餡になり、少ないとご飯の水分でシャバシャバに薄まってしまいます。火を止めてから水溶き片栗粉を回し入れ、再度強火で最低1分間グツグツと沸騰させることで、片栗粉の粉っぽさが消え、時間が経っても水戻りしない極上の艶が完成します。