名付けにおいて「山という漢字を名前に使うのは良くないのではないか」という懸念を耳にすることがあります。この噂の背景には、「人生に険しい山坂(苦難)が立ちはだかる」「動かない=頑固で融通が利かない人間になる」といった、言葉の連想から生まれた昭和初期頃の俗信や一部の姓名判断流派の主張が存在します。
しかし、本来の名付けにおける「山」の意味は極めて前向きで力強いものです。古来より山は神仏が宿る霊峰として崇められ、どんな嵐にも揺るがない「どっしりとした安定感」「広大な包容力」「頂を目指して努力を重ねる志の高さ」を象徴してきました。「泰山のように堂々とした人物になってほしい」「周囲に安心感を与える器の大きい人間へ成長してほしい」という願いを込めるにあたって、これほど適した漢字はありません。
現代の命名事情においても、「山」を含む名前は流行に左右されない骨太な魅力と清潔感があり、根拠のない迷信を気にする必要は全くないと言えます。