大相撲の歴史の中で、技能賞を6度受賞したという事実は、彼が単なる技巧派にとどまらない本物の勝負師であったことを証明している。
立ち合いの駆け引き、まわしを取る位置のミリ単位の攻防、そして相手の目線の動きから次の出足を察知する洞察力。両国国技館がどよめいた数々の名勝負は、決して行き当たりばったりの奇策ではなかった。すべては立ち合い前の仕切りから組み立てられた精密な戦略だ。横綱や大関を相手にしても決して臆さず、自分の間合いへと引きずり込む。その老獪とも言える相撲巧者ぶりは、土俵の奥深さを全国のファンに知らしめた。