国際捜査の司令塔として知られるICPO(国際刑事警察機構)は、自ら捜査官を派遣して身柄を拘束する実動組織ではない。190カ国以上の加盟国を結ぶ情報ネットワークであり、その中で最も強力な武器が国際手配書「レッド・ノーティス」だ。これは加盟国の警察に対して、容疑者の位置特定と身柄の暫定拘留を要請する国際的なシグナルとして機能する。
日本国内において、このネットワークとの窓口を担うのが警察庁である。海外へ逃亡した重要容疑者の情報をICPOのデータベースへ即座に照会し、国際照合システムをフル稼働させる。一方で、アメリカ国内のみならず全世界に独自の捜査網と海外駐在官を配するFBI(米国連邦捜査局)などのメガ捜査機関は、ICPOのインフラを活用しつつも、強大な情報収集能力を背景に国境を無視した追跡を展開する。レッド・ノーティスが発出された瞬間、容疑者のパスポートは失効処理へと向かい、国際社会における自由な移動能力は奪われることになる。