昼食を食べ終えて30分から1時間ほど経った頃、泥のように体が重くなり、意識が遠のくような眠気に襲われる――。この現象の背後には、生理学的な明確な根拠が存在します。医学的には、糖質過多による血糖値乱高下の仕組みがダイレクトに関係しています。
ラーメンや丼もの、パスタといった精製された炭水化物や糖質を急激に摂取すると、小腸から大量のブドウ糖が一気に血中へと吸収されます。これにより血液中の糖分濃度が跳ね上がる現象こそが「血糖値スパイク」です。人の体は通常、血糖値を一定の範囲(正常時は70〜140mg/dL程度)に保とうとしますが、短時間で血糖値が急騰すると、膵臓(すいぞう)は危機を察知して大量のインスリンを一気に放出します。
このインスリン急分泌が引き起こす反応性低血糖こそが、抗いがたい眠気の決定的な引き金です。過剰に出たインスリンの作用によって、今度は上がった血糖値がジェットコースターのように急降下します。脳はエネルギー源の大部分を血液中のブドウ糖に依存しているため、血糖値が急激に底を打つと、脳細胞が一時的なエネルギー飢餓状態に陥ります。その結果、強い倦怠感、集中力の完全な喪失、そして脳が活動を強制停止させようとする「猛烈な眠気」として表面化するのです。