小柳ゆきのデビュー作『あなたのキスを数えましょう 〜You were mine〜』の発売日は1999年9月15日。当時、彼女はわずか17歳の高校生でした。ホイットニー・ヒューストンやマライア・キャリーといった本場米国の本格派ディーヴァに憧れ、幼少期から卓越した歌唱力を培っていた小柳ゆきは、オーディションでその規格外の才能を見出され、鮮烈なデビューを飾ることになります。
当時、音楽業界は小室ファミリーや新進気鋭のR&Bシンガーたちがチャートを席巻していた百花繚乱の時代でした。その中で、ガングロや厚底ブーツなど当時のギャルカルチャーの雰囲気を纏った現役女子高生が、マイク一本で放つ重心の低い圧倒的なソウルボイスは、音楽関係者に大きな衝撃を与えました。関係者の証言によると、レコーディング現場では10代とは思えない集中力とピッチの正確さ、そして強烈な声量にスタジオのスタッフ全員が息を呑んだと伝えられています。
当初、本作はテレビアニメ『アレクサンダー戦記』の主題歌タイアップとしてリリースされました。タイアップ開始直後は爆発的な初動こそ見せなかったものの、ラジオのオンエアやUSENリクエスト、そして音楽番組での生歌唱を機に「この凄まじい歌声の持ち主は誰なのか」と口コミが急拡大。オリコンチャートを数か月にわたって駆け上がり、最高位2位を記録する特大ヒットへと発展したのです。