歌舞伎の女形はなぜ男性なのか?坂東玉三郎の現在と美の極意を徹底解剖とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
歌舞伎の舞台は、男役である「立役(たちやく)」と女性役である「女形」の強烈なコントラストによって構成されています。両者の技法と求められる身体性は対極に位置しています。
項目女形(おんながた)立役(たちやく)編集部の見解・評価身体の重心・姿勢膝を折り、内股で腰を落とす「収縮の姿勢」胸を張り、外股で足を開く「拡大の姿勢」女形は男性の骨格を縮小して見せるため、常時大腿四頭筋への強烈な負荷がかかる発声と音域喉仏を抑え、鼻腔・頭蓋共鳴を使う高音の台詞術丹田から腹腔全体を響かせる低音・腹話術的発声女形の声帯コントロールは極めて繊細で、長期にわたる日々の鍛錬なしには維持できない衣装・鬘(かつら)の重量総重量約15kg〜20kg(豪華な打掛・重厚な日本髪鬘)役柄によるが約5kg〜15kg(荒事の衣装などは特異)重労働である重い衣装をまといながら、優雅で軽やかな身のこなしを維持する強靭な体幹が必須演技の基本思想現実の女性の模倣ではなく「女性美の抽象化・記号化」男性の力強さ・勇壮さの誇張(荒事)や洒脱さ(和事)女形は「男が作り上げた理想の女性像」という二重構造を持つため、独特の倒錯美を生む